パチンコ依存問題とは
すべてのゲーム(遊戯)は、緊張感や興奮、そして快感など人が持つさまざまな感性を刺激しするように作られています。多くの人たちは娯楽のレベルで留まりますが、必ずその力に振り回され娯楽のレベルでは済まない段階に踏み込んでしまう人たちがいます。
パチンコは、身近で気軽な大衆娯楽として、多くの人たちに利用されています。ストレスの多い社会の中で、身近な娯楽サービスは、大きな役割を果たしています。しかし、残念なことに借金や失業などの経済問題、育児放棄や家庭内暴力などの虐待・暴力問題、依存や抑うつ、自殺などの精神医学的問題、借金などを契機に引き起こされる犯罪などがパチンコの周囲で起き社会問題となっています。1千万人以上の利用者の中には、娯楽のレベルでは済まない段階に踏み込んでしまう人たちが存在しながらも、相談介入窓口が無いために問題が深刻化し、痛ましい事件や事故につながっています。
私たちは、問題の背景の一つである、パチンコへの過度ののめりこみ(パチンコ依存問題)に焦点を当て、早期介入のシステムを作る必要を提唱し、その第一歩として無料電話相談による早期介入窓口を開設しました。
パチンコ依存問題には、快感や興奮の演出といったパチンコ機やホールの演出に起因する問題、パチンコの快感・興奮に反応しやすい体質、孤独やストレスなどユーザーの置かれた状況、さまざまな問題への対処技能、本人・周囲の人の問題への認識や知識、問題解決の支援体制など、さまざまな要因が絡み合っています。
アルコールや薬物依存の回復支援活動に比べ、パチンコ依存はその実態さえ正確に把握されておらず、回復支援システムは皆無に近い状態にあります。個人の意志・責任とされがちではありますが、依存問題の回復支援サービスが、問題の解決や予防に有効である点においては、アルコール依存や薬物依存となんら変わることがありません。
リカバリーサポート・ネットワークは、早期の適切な介入により、小さくとも回復につながる確かな一歩になることを目標に活動しています。